ルーマニア各地で、血液センターが謎の一味に襲われ、大量の血液製剤が奪われる事件が起こった。
一味はトランシルヴァニア山中に建つ中世の古城に隠れ、地下の礼拝堂である儀式を行っていた。

黒い修道服に身を包み、祈りを捧げる男女。彼らの口もとからは鋭く尖った犬歯がのぞく。
三本ロウソクに照らされた祭壇に、不気味に浮かび上がる怪物の像。
祭壇の前には巨大な穴がぽっかり口を開け、穴の内部は赤黒い灰で埋め尽くされていた。

彼らの主「ベラルゴス」は遠い昔、神によって滅ぼされた。
ベラルゴスは赤黒い灰となり、その灰は散り散りになってヨーロッパ全土に広がった。
彼ら一族はベラルゴスを復活させ、世界を支配するべく、何百年もかけて灰を集めたのだ。
そして灰が集まった今、復活に必要な大量の血液製剤を血液センターから奪ってきたのだ。

樽に入った血液製剤が、どくどくと灰へ注がれた。灰が見る見る、ぶくぶくと泡立ち始める。
「闇にまします我らが主ベラルゴスよ、今こそ目覚めたまえ!」
ギーーガォォーーン! ギーーガォォーーン!
真夜中のトランシルヴァニア山中に、不気味な咆哮が響き渡る。城が崩れ、もうもうと立ち上る煙の中から、巨大な赤い怪獣ベラルゴスが姿を現した。怪獣は、数百年ぶりに地上に甦った興奮を抑え切れず、更なる生き血を求めて暴れ出した。静寂に包まれたルーマニアの街に絶対の危機が迫る!

吸血怪獣ベラルゴスとは

ベラルゴスは、星間空間を漂う浮遊惑星で生まれた怪獣だ。
この星は太陽を持たず、常に暗闇に閉ざされているが、地殻の中に放射性元素が大量に存在するため、元素の崩壊によって熱が供給され、暖かさを保っている。ベラルゴスは遠い昔、この星から隕石に乗って地球へ運ばれてきた宇宙怪獣なのだ。
吸血性で、犬歯が非常に鋭い。その硬度はダイヤモンドに匹敵する。
下顎に犬歯を納める鞘(さや)があり、犬歯を保護すると同時に、自分の体に刺さるのを防ぐ。また、鞘は砥石のようになっていて、口を閉じる度に犬歯が研がれる仕組みになっている。

暗闇の星で生まれたために、強い光に弱い。太陽の光を浴びると灰になってしまう。ただし、その灰は、細胞一つ一つが乾燥状態のクリプトビオシスと化したものであるため、灰とはいえ生き続けているのだ。
生き血を吸収すると元の姿に戻ることができる。
また、灰が生物の体内に侵入すると、その生物も吸血性を帯び、ベラルゴスに意識を支配され、何百年も生き続けるようになる。中世の吸血鬼や南米のチュパカブラもベラルゴスによって生まれたものだ。
ベラルゴスは、いわば永遠の命を獲得した究極の生命体なのだ。
(ただし太陽の光には弱いため、昼間は地中に潜り眠っている)

今回の怪獣の名前は、20世紀前半の超有名なドラキュラ俳優ベラ・ルゴシに因んだものです。名前が先に浮かび、後からデザインを考えました。
長い犬歯と下顎の鞘は、数百万年前の南アメリカに生息した肉食有袋類ティラコスミルスから取り入れたものです。
クリスマスの時期なので、体の色は血の色であると同時に、ポインセチアの色もイメージしています。

吸血怪獣といえば、吸血植物ケロニアを皮切りに、宇宙細菌ダリー、宇宙吸血鬼ドラキュラン、吸血宇宙星人ドラキュラス、吸血怪獣ギマイラ等、怪獣の定番ですが、ベラルゴスは鋭い牙と血のような赤い色によって吸血性を強調し、差別化を図りました。
また、口から牙が飛び出した怪獣といえば、パゴスやネロンガ、ガメラ等に見られるように、奥歯が飛び出した怪獣が多いように思われますが、ベラルゴスはアーストロンと同様、犬歯が飛び出しているのが大きな特徴です。

belalugos

(公開日:2011/12/18)