メタンの氷に閉ざされた極寒の星「フリザーク星」から飛来した宇宙人。
近傍の星々を氷漬けにし、次々に征服してきた凶悪なエイリアン種族だ。

最大の武器はマイナス10万度の冷凍光線。あらゆる物質を瞬時に凍結させるばかりか、反重力現象を引き起こし、宇宙空間へと吹き飛ばしてしまう恐ろしい武器だ。
さらに、星人が作り出した超低温によってすべての原子を構成する粒子の動きが止まり、周囲の空間が「ボーズ・アインシュタイン凝縮体」と呼ばれる状態へと変化する。この状態下では、光の速度が時速60キロにまで低下するため、星人の正確な位置は全く知ることができなくなるのだ。
(我々の目やレーダーに映っている星人の姿は何秒も過去のものだ!)

怪獣デザイン

解説

ボーズ・アインシュタイン凝縮体というのは、絶対零度に近い低温で原子を構成する粒子の動きが止まり、原子の形状がおぼろげになり、個々の原子の区別がつかなくなった特異な状態のことで、存在はするのに大きさも形も不明確という、普通の状態とはかけ離れた性質をそなえたものです。
約70年前に2人の物理学者、アルベルト・アインシュタインと、サティエンドラ・ボーズによって存在が予想されました。
ボーズ・アインシュタイン凝縮体を作り出す技術は、20世紀の終わりになってようやく確立されたのですが、1999年にアメリカのローランド科学研究所において得られた実験結果は驚くべきものでした。
生成された霧状の凝縮体に光線を通したところ、なんと光の速度が時速約60キロに低下したのです註1)。

その一方で、今までは絶対零度が温度の理論上の下限と考えられていましたが、ついに先頃、ドイツの研究チームが、絶対零度を下回る温度(マイナスのケルビン温度)を持つ原子ガスを作り出すことに成功したのです。気体中の粒子のエネルギー分布が通常の気体(プラスのケルビン温度を持つ気体)とは反対になるように条件を整えることによって、絶対零度を下回る温度を実現したとしています(註2)。
おまけに、通常状態での原子の雲は重力に従って落ちていきますが、その雲の一部が「負の絶対温度」を持つ場合は、いくつかの原子は重力に逆らうかのように上昇していくと計算されるというから驚きです(註3)。

これらの新発見をもとに考えたフリザーク星人は、超低温を自在に操るだけではなく、自分の領域内では光よりも速く動くことができるという、まさに忍者のような宇宙人なのです。
また、冷凍光線によって反重力現象が引き起こされるという点は、見た目はペギラのそれと同じではありますが、新たな理論に基づいているところがポイントです。

ネーミングは「凍結」を意味する「freeze(フリーズ)」と、「暴風雪」を意味する「blizzard(ブリザード)」を組み合わせ、さらに語尾には「凍る」「凍える」「氷」「cold(寒い)」など、冷たさを意味する言葉には「カ」行の音が多いことから「ク」を加えてつけました。

参考文献・記事

(註1)「タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち」ジェニー・ランドルズ / 日経BP社 / 2007年

(註2)SJNニュース 再生可能エネルギー最新情報 / マックス・プランク研究所ら、絶対零度より低温の気体を実証。熱効率100%超の内燃機関が実現可能に? 2013/01/07(アクセス:2013/02/06)

(註3) WIRED.jp /「負の絶対温度」をもつ系とは何なのか 2013/01/08(アクセス:2013/02/06)

(公開日:2013/02/06)