巨大花怪獣アフラウネ

世界最古の学術都市・アレクサンドリアの沖に沈むクレオパトラの海底宮殿で眠っていた謎の植物怪獣。

アレクサンドリア図書館の古文書によれば、数千年前に、当時は湿潤だったサハラに生息していた植物が、砂漠化とともに突然変異を起こし、移動能力を得て怪獣化したものだ。

強靭な体を持ち、環境条件に応じてDNAを自ら変化させることができるため、繁殖を必要とせず、単体で進化・存続できる。つまり寿命によって死ぬことが決してないのだ。
(一般の生物は、進化するためには、個体の死と世代交替によってDNAの変化を積み重ねなければならない)

食物は大型爬虫類や、他の怪獣など。
黄色い花弁から、幻覚作用のある麻薬のような粉塵を放出し、獲物の神経を麻痺させ捕食する。

魔法薬や媚薬を得るため、また、その不死の謎を解き明かし不老不死の薬を得るために、クレオパトラが大切に飼っていたという伝説の怪獣だ。

怪獣デザイン

今回の怪獣は、薬効植物としてクレオパトラを始め、西洋の魔術師や錬金術師が利用していたというマンドレイクをヒントに考えたものです。

アフラウネ」という名前も「マンドレイク」の亜種である「アルラウネ」をもじって付けました。

デザインは「ジャイアントロボ」の軟体怪獣イカゲラスや「キャプテンウルトラ」のゆうれい怪獣キュドラのような、直立二足タイプの人間くさいプロポーションに、わざと意識して描きました。
いかにも中に人間が入っているような姿をしていますが、これでいいのです。
怪獣とは人間のような姿をしているからこそ「愛嬌」もあれば「恐ろしさ」もあると思うからです。

ハリウッド製の巨大な昆虫のような「Kaiju」も悪くはありませんが、私は、今後もこんな人間的な姿の怪獣を追求していきたいと思っています。

ちなみに「繁殖を必要とせず、死なない生物」というアイディアは、「世界をやりなおしても生命は生まれるか?」(長沼 毅 / 朝日出版社 / 2011年)という書物からヒントを得たものです。

(公開日:2014/06/18)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA