憑依怪獣キュロスター

キュロ星から無人の宇宙船に憑依して飛来した宇宙生物。

人間大から35メートルまで、体の大きさを自由に変えることができ、人間を含むあらゆる生物や、コンピューターや乗り物などの人工物にさえも憑依して、意のままに操ることができる。
また、巨大な両眼は視力に優れ、100光年先の恒星を回る惑星を見分けることができる。
バナナやマンゴー、玉子焼きや芋ようかんなど黄色い食べ物が大好物だ。

怪獣デザイン

今回の怪獣は、余計な装飾をいっさい排し、シンプルながらも特徴的なシルエットと印象的な色彩を持ったものにしようと意識して考え出しました。
また、今まで多かった直立二足の恐竜的なありふれた怪獣像から離れ、「キャプテンウルトラ」のまぼろし怪獣ゴースラーや、ゆうれい怪獣キュドラのような妖怪的なテイストを取り入れてみました。

といってもゴースラーやキュドラを真似て描いたわけではなく(翼はゴースラーに似てるかな?)、ちょっとだけアイディアを取り入れさせてもらったのは、ラリー・ニーヴンのSF小説「リングワールド」(註1)に登場するネサスという宇宙人です(下図)。

このネサスという宇宙人(パペッティア人)は、ケンタウルスに似た蹄のある脚が3本と、ヘビのような頭が2つ飛び出た姿をしているのですが、なんとこのヘビの頭が一つ目なのです!
…というのは見かけの話で、実は双頭のヘビのように見えるものはカタツムリのように飛び出した一対の眼で、パペッティア人の脳は胴体に収まっているのです。(ちなみにそれぞれの眼の下に、指状の突起に囲まれた口があり、彼らはそれを手のように使って道具を扱うのです)

怪獣デザイン

キュロスターもこれにならい「飛び出した眼がまるで二つの頭にも見える」ように工夫しました。(シルエットで見るとおわかり頂けると思います)

怪獣デザイン

参考文献

(註1)この小説は表題にあるように「リングワールド」という未知の世界を舞台とした物語です。
リングワールドとは、恒星の回りをリング状に取り囲む巨大な謎の構造物なのですが、その直径はほぼ地球の公転軌道に等しく、幅が約100万マイル(地球と月の距離の約4倍)という途方もないもの!
回転させることで人工重力を作り出し、地球の表面の約300万倍の広さがあるというリングの内側では、推定30兆人が暮らしています。
物語は、200歳の誕生日を迎えた地球人ルイス・ウーが、宇宙人たちとリングワールドの世界を探検するというものですが、ストーリー展開や人物描写よりもむしろ、様々な視点からこれでもかというほどに描かれる壮大なリングワールドの光景に圧倒されます。
ヒューゴー賞・ネビュラ賞を受賞。超おすすめの一冊です!

リングワールド」ラリー・ニーヴン / 小隅 黎 訳 / 早川書房 / 1985年

(公開日:2014/01/31)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA