牡蠣貝獣カキガラン

日本近海に現れた牡蠣の怪獣(貝獣)。
海中に落下した隕石に着生した牡蠣の幼生が、隕石が発するエネルギーを吸収して変異したのだ。
現代医学の存在しない古代から牡蠣は滋養強壮のために食されてきたが、この怪獣の身の部分にもビタミンB1・B2・B12などのビタミン類や、亜鉛・鉄などのミネラル、アミノ酸、タウリン、グリコーゲンが豊富に含まれており、その含有量は自然界の牡蠣の10倍にも及ぶ。
殻の表面には無数の牡蠣が着生しており、これらの牡蠣も怪獣と同じく豊富な栄養素を持つ。
(牡蠣は多くのグリコーゲンを含み水がない場所でも1週間程度は生存できるため、怪獣が上陸しても死ぬことはない)
胸の窪みは貝柱。もとは二枚貝であったものが、怪獣化するとともに一枚は消失したのだ。
海水を浄化し植物プランクトンを食べるだけの大人しい怪獣だが、生存を脅かす敵には頭部の角から発する熱光線で応酬する。
また何層にもなった殻はそれぞれの層が鋭利な刃物のように鋭く、敵を簡単には寄せ付けない。

怪獣デザイン

今回は「海のミルク」と呼ばれている栄養満点の牡蠣がモチーフの怪獣です。
牡蠣なのに翼を広げたような姿をしていますが、実は牡蠣というのは「着生した基盤に従って成長するために殻の形が一定せず、波の当たり具合などの環境によっても形が変化する」ものなのだそうです(カキ (貝) – Wikipedia)。

妻である怪獣伯爵夫人は牡蠣が好きなので(以前エビフライをモチーフにしたエビフライゴンというのを描きましたが)今回は怪獣伯爵夫人の指令を受けて牡蠣をモチーフにした怪獣を描きました。
ネーミングは「蛎殻(かきがら)」より。
余談ですが、中央区日本橋にある「蛎殻町」は、その昔、漁師町で牡蠣の殻の堆積した海浜があったといわれているそうです。

(公開日:2021/06/20)