浄土怪獣パルヴァニス

長年介護を続けた母を亡くし、その死を悼む娘の心が呼びよせた怪獣。
仏教において浄土と呼ばれている高次元の精神エネルギーの世界に生息している。
現世をさまよう死者の魂を浄土へ導き、また浄土から死者の魂をつれもどし愛する者に引きあわせる。
最期の瞬間まで心をこめて自力で介護していた娘の姿に感動し、そんな娘に対し、何も言えないまま逝ってしまった母の感謝の言葉を伝えるために現れたのだ。
怪獣の力によって現世にもどってきた母の魂は、これからもずっと娘とともに暮らすことになった。その姿は娘にしか(または母を本当に愛する者にしか)見ることができない。

怪獣デザイン

今回の怪獣は、妻である怪獣伯爵夫人からお題をいただき、昨年12月に88歳で亡くなった妻の母を供養するために考えたものです。
妻は心から母を愛し、母の食事の介助からトイレや入浴、体の手当てやその他すべての生活の介助を自分一人の手でこなしてきました。心をこめて母につくす妻の姿には本当に頭が下がる思いでした。
(怪獣写真館 : 怪獣伯爵夫人の母が亡くなりました

怪獣のモチーフは浄土の六鳥の一つとされ、視覚的な美しさによって浄土を荘厳している鳥・孔雀です。
また、ヒンドゥー教においては、孔雀は軍神スカンダの乗り物(ヴァーハナ)であり、スカンダの威厳と荘厳さを象徴するものとされています。
パルヴァニス」というネーミングは、スカンダの乗る孔雀の名前・パルヴァニ(Parvani)をもじりました。

ちなみにパルヴァニスには、従来の鳥モチーフの怪獣(テロチルス、リドリアス、マガバッサー等)のような「腕」がありません。
(鳥なのに腕があるって生物学的に考えたらおかしいですよね)
「腕」に見えるものは「脚」。パルヴァニスは天からの使いであり、常に空中に浮揚しているため、体を支える必要のない「脚」は自在に動く「腕」として機能しているという設定です。
さらに霊的な怪獣なので重さも0(ゼロ)です。

(公開日:2018/04/14)

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