うるし怪獣伽武羅(かぶら)

丹波国に古くから伝わる怪獣。

普段は人里離れた山奥で漆(うるし)の樹液を舐めてひっそりと生きているが、山中の漆を舐め尽くすと人里に現れ、お椀や工芸品など全ての漆器を手当たり次第に食べる。
全身が幾重にも漆で覆われ艶やかな光沢を放つ。

怒ると漆の液を口から大量に噴射する。殺傷能力はないものの、これを浴びるとこの世のものとは思えないほどの痒みとかぶれに襲われる。漆に敏感な人は、この怪獣が接近しただけでも同様の症状が現れる。

ただし漆に慣れた漆職人には、このせっかくの武器も役には立たない。
「ワラビの根を煎じた汁」に弱い。

怪獣デザイン

今回は、時代劇に登場することを前提とした怪獣です。なので、戦う相手も巨大ヒーローではなく、等身大の戦国武将や漆職人。舞台となる町並みも平屋が中心となるので、それらとの絡みを考え、四つん這いスタイルにしました。「痒み」を武器にする史上初の怪獣で、漆という日本の伝統を取り入れた「和」の怪獣でもあります。

漆で彩られた怪獣ではありますが、本物の漆器のように光沢を強調してもただの甲虫にしか見えないので、郷土玩具を意識して赤い色や模様などで和風っぽさを出すよう心がけました。

ちなみに「ワラビの根を煎じた汁」に弱いと言う設定は、漆にかぶれた場合は、ワラビの根を煎じた汁、煮た沢蟹の汁、硼酸水などを患部に塗る民間療法があるためそこから取り入れました(漆 – Wikipedia)。

(公開日:2009/07/31 最終更新日:2025/04/23)

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