甲殻怪獣ザリガップ
世界で最も深い海・マリアナ海溝に生息する甲殻類の怪獣。
深海探査艇の発する強力なパルス音に平安を妨げられて、人類の前にその姿を現した。
固い甲羅は最新鋭の魚雷を軽く跳ね返し、巨大なハサミは原子力潜水艦をもまっ二つにする。
眼は2対。青白く光っている方は、サーチライトのように真っ暗な海底を遠くまで照らして見ることができる。小さい方は陸上用だ(註1)。
周囲の色に応じて体の色を変えることもできる。
低周波のパルス音を長時間浴びせられると筋肉が損傷し、死んでしまう。
(現在、人間の活動で発せられる低周波音が、ダイオウイカのような巨大な生物をも絶命させる可能性があることが判明し、大変問題になっています)(註2)。
今回はカニの仲間をモチーフとした怪獣です。カニの怪獣といえば、「マグマ大使」に登場するカニックスを皮切りに「帰ってきたウルトラマン」のザニカ、「ウルトラマンタロウ」のガンザ、「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」のガニメなど、思いつくだけでも色々なものが作られてきました。
固い甲羅に大きなハサミを備えたカニの仲間は、怪獣化するのに持って来いのモチーフなのだと思いますが、そのほとんどがカニそのもののデザインで、あまりひねりがなかったように思います。
その点ザリガップは、その姿は地球上のカニとは大きく異なりますが、大きなハサミや体の模様によって、カニの持つ怪獣らしさを上手く表現できたのではないかと自分でも思っています。
怪獣伯爵夫人(妻)からは「怪獣だからといって、凶暴な顔にする必要はないよね。笑っているような顔がいいね。ぶら下がっているハサミも面白い」と誉められました。また「今まではリアルな生物っぽい怪獣が多かったけど、最近のはデザインがどんどん面白くなってきた。無敵の怪獣デザイナーだ!」とも言われました。
(妻は耳の病気を再発し、現在、治療にあたっています)
ネーミングは怪獣伯爵夫人(妻)によるものです。語尾が「…ガップ」で終わる怪獣名は史上初。響きがよくて、覚えやすく、カッコいい名前だと思います!
怪獣伯爵夫人(妻)のコメント
怪獣は、人間と形が違う生き物なのに、人間みたいに動くところが面白い。
難しくなくて、気楽に楽しめるところが魅力だね!
参考文献・記事
(註1)「節足動物の眼は複眼」と一般には考えられていますが、実際に複眼とカメラ眼の両方を持つ生物が存在します。アミ科という小エビのグループに見られる独特の眼がそれで、左右の複眼の後ろ側に巨大なレンズが埋め込まれており、小エビはこの「眼」を自在に動かして、両眼視しているといわれています。
(「進化の運命 孤独な宇宙の必然としての人間」サイモン・コンウェイ=モリス / 講談社 / 2010年)
(註2)ナショナルジオグラフィック / ダイオウイカを殺すソナーの騒音 2011/05/04(アクセス:2016/04/17)
(公開日:2011/08/16)