胞子の状態で何十万年も宇宙空間を漂い、生存に適した惑星に漂着すると成長を始める宇宙の植物怪獣。

幼体(植物体)のうちは、地面に固着しているため移動はできないが、近づく生物を長い舌でからめとり大きな口で食べてしまう。
しかし十分に成長すると、上下逆転して(根っこを上にして)立ち上がり、怪獣体へと変化し、他の生物や怪獣を襲い、根っこを巻きつけて体液や血液を吸い尽くす。

ただし植物の怪獣なので、一日数時間は携帯端末を充電するように、植物体の体勢にもどり、土中の窒素・リン・カリウム・マグネシウムなどを吸収しないと生きていけないのが弱点でもある。

今回の怪獣は、私が今までに考えた怪獣の中でも最も古いものです。昭和45年に「ガメラ対大魔獣ジャイガー」を劇場で観た時に思いつきました。主題歌に合わせて過去の名場面が映されるのですが、その中で、頭から地面に突き刺さっている大悪獣ギロンをちらっと観て、当時6才だった私は「顔が逆さについてる木の怪獣だ!きっと戦う時は上下がひっくり返って立ち上がるに違いない」となぜか思い込んでしまったのです。つまり勘違いから誕生した怪獣です。

大人になってからも何度もデザインを練り直し続けているお気に入りの怪獣ですが、実は今回の下描きには「目」を描いていませんでした。目のない方が斬新に見えるだろうなどと、余計なことを考えてしまったからです。さらに手足も指がなく蔓(つる)状でした。しかし我が家の怪獣アドバイザーである妻の「目と指がないと可哀想。絶対入れた方がいい」という一言には逆らえず、結局目を入れ、もみじのような指をつけることになったのです。

ところが後日「ハイパーホビー」誌上にて、機戦鎧獣さんの隕石怪獣ガメートをソフビ化するにあたり、M1号の西村祐次氏はじめ制作スタッフの方々が「M1号の怪獣には必ず目や鼻の穴、指がなければいけない」とおっしゃっているのを読んで「西村氏や現場のプロと同じことを、私の妻が言っている!」と大変感動しました。(ガメートには元々指はついています)

怪獣伯爵夫人(妻)のワンポイントアドバイス

怪獣にだって命があるんだ。この世に生まれてきた時に不自由のない体にするべし。

怪獣デザイン

(公開日:2009/02/10)