凍結怪人フリザーク星人
メタンの氷に閉ざされた極寒の星「フリザーク星」から飛来した宇宙人。
近傍の星々を氷漬けにし、次々に征服してきた凶悪なエイリアン種族だ。
最大の武器はマイナス10万度の冷凍光線。あらゆる物質を瞬時に凍結させるばかりか、反重力現象を引き起こし、宇宙空間へと吹き飛ばしてしまう恐ろしい武器だ。
さらに、超低温によって周囲に「ボーズ・アインシュタイン凝縮体」へと変化した空間を作り出す。この空間内では、光の速度が時速61キロにまで減速されるため、星人の正確な位置は全く知ることができなくなるのだ。
(我々の目やレーダーに映っている星人の姿は何秒も過去のものだ!)
解説
ボーズ・アインシュタイン凝縮体というのは、絶対零度に近い超低温まで冷却したナトリウム原子の雲のことで、1999年にアメリカのローランド科学研究所で行われた実験において、光の速度をわずか17メートル/秒、時速に直すと61キロメートル/時まで減速させることに成功しました(註1)。
その一方で、今までは絶対零度が温度の理論上の下限と考えられていましたが、ついに先頃、ドイツの研究チームが、絶対零度を下回る温度(マイナスのケルビン温度)を持つ原子ガスを作り出すことに成功したのです。気体中の粒子のエネルギー分布が通常の気体(プラスのケルビン温度を持つ気体)とは反対になるように条件を整えることによって、絶対零度を下回る温度を実現したとしています(註2)。
おまけに、通常状態での原子の雲は重力に従って落ちていきますが、その雲の一部が「負の絶対温度」を持つ場合は、いくつかの原子は重力に逆らうかのように上昇していくと計算されるというから驚きです(註3)。
これらの新発見をもとに考えたフリザーク星人は、超低温を自在に操るだけではなく、自分の領域内では光よりも速く動くことができるという、まさに忍者のような宇宙人なのです。
また、冷凍光線によって反重力現象が引き起こされるという点は、見た目はペギラのそれと同じではありますが、新たな理論に基づいているところがポイントです。
ネーミングは「凍結」を意味する「freeze(フリーズ)」と、「暴風雪」を意味する「blizzard(ブリザード)」を組み合わせ、さらに語尾には「凍る」「凍える」「氷」「cold(寒い)」など、冷たさを意味する言葉には「カ」行の音が多いことから「ク」を加えてつけました。
参考文献・記事
(註1)「タイムマシン開発競争に挑んだ物理学者たち」ジェニー・ランドルズ / 日経BP社 / 2007年
「科学の誤解」マット・ブラウン / 日経ナショナル ジオグラフィック社 / 2019年
(註2)SJNニュース 再生可能エネルギー最新情報 / マックス・プランク研究所ら、絶対零度より低温の気体を実証。熱効率100%超の内燃機関が実現可能に? 2013/01/07(アクセス:2013/02/06)
(註3) WIRED.jp /「負の絶対温度」をもつ系とは何なのか 2013/01/08(アクセス:2013/02/06)
(公開日:2013/02/06 最終更新日:2024/07/17)
デザインはもちろん、設定が素晴らしい❣️
— 殿下殿 (@highnesshigh) July 17, 2024
早速のコメント有難うございます🙇♂️
こんなにすぐに反響をいただけるとは嬉しい限りです。
補足させていただきますと、絶対零度を超える低温はドイツのマックス・プランク研究所で、ボーズ・アインシュタイン凝縮体はアメリカのローランド科学研究所で実証されたと言われております😊— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 17, 2024
個人的に、怪獣はデザイン以上に背景・設定が重要だと思っています。
設定が皆無だったりお粗末だったりすると、いかにデザインや造型が良くても魅力半減ですよね。— 殿下殿 (@highnesshigh) July 17, 2024
その設定を考えるのが一番難しいんですよね。
怪獣デザイン画を描き終わった後も、いつも最後に設定で頭を悩ませています。— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 17, 2024
せっかくの空想特撮ですから、絶対零度以下の怪獣って、やっぱやりたくなりますよね♪(笑
偽ゾフィにも『バイオラー』と言う、零下数万度の怪獣がいます。
こちらは「静止状態を越えたマイナスの分子運動を持つ」「常空間との間には重積ライデンフロストフィールド」
と言う設定(言い訳)です♪ pic.twitter.com/0MzRtebGXq— ちりがみ細工のP・ゆりな (@PIISANN) July 17, 2024
「静止状態を越えたマイナスの分子運動〜」というのはなんだか科学的にもありそうで良いですね❤️
マックス・プランク研究所では、気体の粒子のエネルギー分布が通常の気体とは反対になるように条件を整えることによって、絶対零度を下回る温度を実現したとされています。
Pさんの理論は正しいのかも👍— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 17, 2024
素晴らしいです!貴方のオリジナル怪獣と宇宙人はいつもどんなのが出て来るのが楽しみにしています!
— バトラ推しマスター (@LrunPIP9Nj39568) July 17, 2024
素晴らしい誉め言葉を有難うございます🙇♂️
今回の宇宙人は昔描いたものですが一部修正しました。
期待にたがわぬよう、これからも精進したいと思います‼️— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 17, 2024
ハサミの中に目があるデザイン、面白いですね!
— 宇宙スズメ(みどりん) (@ba7DIO) July 17, 2024
デザインを誉めて頂き有難うございます🙇♂️
頭がハサミになっているので目をどこに入れようか非常に悩みました。
面白いと言って頂けて最高に嬉しいです‼️— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 17, 2024
超リアル設定!
だけど、眼球の位置等、突飛なデザインセンスは流石かと!— 岩田信 (@Nx1lXwj4T990GID) 2024年7月17日
『超リアル設定』と誉めていただき有難うございます。
ネットの科学関連のニュースにはくまなく目を通し、物理科学の本を読み漁っている日頃の努力の賜物でしょうか‥😅
絶対零度を下回る低温なんて『トンデモ科学』と言われそうですが、ここは空想特撮の世界。何でもアリなのです‼️— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 18, 2024
冷凍怪獣(星人)数あれど、視覚に作用する能力とは盲点でした!
ウルトラ戦士でも苦戦は免れないでしょう!— いばらき怪獣研究所 (@leatherback5511) July 17, 2024
ただ凍らせるだけじゃない!
星人を取りまく空間で、我々の目やレーダーに映っている星人の姿は何秒も過去のものなのです。
まさに宇宙の忍者、バルタン星人のような神出鬼没な宇宙人をイメージしてデザインしました。— 怪獣伯爵 (@hakushaku_ke) July 18, 2024