戦車怪獣ベヒーモンス
富士山のマグマの中で眠っていた巨大怪獣。
巨大な前肢で全身を支え、手のひらにあるウロコを起伏させ、腹足類のように前進する。
移動速度は時速100キロを超え、重戦車のように、あらゆる障害物を破壊しながら突き進む。
鋭い牙の生えた口からは10万度の火炎プラズマを吐く。
小さな後肢は歩行の役には立たないが、それでもなお、5万重量トンのオイルタンカーを軽々と蹴飛ばすことができる。
全身が頑丈な皮膚で覆われているため、核攻撃でも倒すことのできない恐るべき怪獣だ!
戦車怪獣ベヒーモンスは、体型が人間とはかけ離れているので、着ぐるみではなく、CG、または操演を前提とした怪獣です。
「CGによる怪獣」といえば、今年の夏に公開され話題を呼んだ「パシフィック・リム」。
当然のことながら、私も公開早々、観てきました。イェーガーのリアルなデザインは素直にカッコいいと思いましたが、怪獣に関しては、ちょっと不満もあったりします。
せっかくCGで表現するんだから、既存の生物にとらわれず、もっと独創的で、わかりやすい特徴のある怪獣を観てみたかった…とか、印象的な色の怪獣がいてもよかったんじゃないか…とか。
ただし、デザインで一つだけ非常に感心した部分がありました。それは衝角怪獣ナイフヘッドや突貫角獣スカナーなどの前腕の部分に、骨の形に沿ったすき間が空いているところです。素直に「その手があったか!」と感心すると同時に「先にやられた!」と大変悔しく思いました!(下図はナイフヘッドの前腕)
私は「巨大ロボットと怪獣のどっちに乗って戦ってみたい?」と問われれば、迷わず「怪獣!」と答える人間なので、何を考えているのかわからない小さな目をして、素早く動き回り人間を付け狙う「パシフィック・リム」の「Kaiju」よりも、どっしりと構え、愛嬌のある表情をして、おおらかに人間を乗せてくれるような怪獣の方が好きなのです。「怪獣王子」のネッシーとか、「ウルトラマン80」のゼロ戦怪鳥バレバドンとか、子供を乗せてくれる怪獣って、とっても夢があると思います!
戦車怪獣ベヒーモンスも、そんな私の「絶対無敵の戦車のような怪獣の背中に守られて、大平原を突き進んでみたい」という願いを込めて考え出しました。
ネーミングは旧約聖書に登場する巨大な陸の怪物である「ベヒモス(behemoth)」より。
(公開日:2013/10/04)